2025年7月
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フェイスラインのエラを押すと痛む原因
ふとフェイスラインに触れた時、エラのあたりを押すとズーンとした痛みを感じることはありませんか。多くの人が経験するこの不快な痛みの正体は、多くの場合、咬筋(こうきん)と呼ばれる筋肉の凝り、いわゆる「筋肉痛」です。咬筋は、下顎を上に引き上げて食べ物を噛み砕く際に使われる、非常に強力な筋肉です。この咬筋に過度な負担がかかり続けると、肩こりや首こりと同じように筋肉が硬く緊張し、血行不良に陥って痛みを生じさせます。では、なぜ咬筋に過度な負担がかかるのでしょうか。最大の原因として考えられるのが、無意識のうちに行っている「食いしばり」や「歯ぎしり」です。日中、集中している時やストレスを感じている時に、ぐっと歯を食いしばる癖はありませんか。また、睡眠中に歯ぎしりをしていると、起きている時に物を食べる力よりもはるかに強い力で、長時間にわたって咬筋を酷使することになります。これが、朝起きた時に顎がだるかったり、エラが痛んだりする原因です。その他にも、片方の歯ばかりで噛む癖や、頬杖をつく習慣、うつ伏せで寝る姿勢なども、顎周りの筋肉に偏った負担をかけ、痛みを引き起こす要因となり得ます。また、硬いものを好んで食べる習慣がある人も、咬筋を常に鍛えている状態になり、筋肉が発達しすぎて硬くなりやすい傾向があります。これらの痛みは、単に不快なだけでなく、放置すると頭痛や肩こり、めまいなど、全身の不調につながることもあります。もしエラを押した時の痛みが気になるなら、それはあなたの体が発しているサインかもしれません。まずは自分の生活習慣を振り返り、筋肉を緊張させる原因がないか探ってみることが大切です。