親知らず抜歯後の予期せぬトラブル、ドライソケット。激しい痛みと共に、患者さんの頭をよぎるのは「この追加の治療に、一体いくらかかるのだろう」という費用に関する不安です。ただでさえ心身ともに辛い状況で、経済的な心配まで重なるのは避けたいものです。結論から言うと、ドライソケットの治療は、健康保険が適用される「保険診療」の範囲内で行われます。そのため、法外に高額な費用を請求される心配はありません。ドライソケットは、親知らずの抜歯という保険適用の治療に付随して発生した合併症(術後創傷処置)と見なされます。したがって、その診断と治療に必要な一連の医療行為、例えば、診察、抜歯窩の洗浄・消毒、薬剤の充填、そして必要に応じて行われる掻爬(そうは)やレーザー治療なども、すべて保険診療の対象となります。具体的な費用は、患者さんが加入している健康保険の種類によって定められる自己負担割合(通常は1割から3割)や、行われた処置の内容によって変動しますが、一回の通院あたりの窓口での支払額は、おおよそ数百円から二千円程度に収まることがほとんどです。例えば、初日に診察と洗浄、投薬の処置を受けた場合、再診料や処置料などを合わせて、3割負担の方で1,500円前後が一つの目安となるでしょう。その後、数日おきに薬剤の交換のために通院した場合も、同様に一回あたり千円前後の負担がかかります。治療のために数回通院したとしても、治療費の総額が数万円に及ぶようなことはまずありません。処方される内服薬(抗生物質や痛み止め)についても、調剤薬局で別途薬代が必要になりますが、これももちろん保険が適用されます。このように、ドライソケットの治療費は、健康保険制度によって、患者さんの負担が大きくならないように配慮されています。費用の心配をするあまり、受診をためらって激痛に耐え続けることは、全く意味がありません。むしろ、放置して症状が悪化すれば、治療が複雑化し、結果的により多くの時間と費用がかかる可能性さえあります。辛い症状を感じたら、費用の心配はせず、まずは速やかに歯科医院を受診してください。
治療費はいくら?ドライソケットの保険診療