私が3年前に前歯の治療を受けた際、最も悩んだのは治療費のことでした。歯科医院のカウンセリングで、1本12万円のセラミックと、保険適用で1万円以下の差し歯を提示され、当時の経済状況から迷わず保険診療を選びました。担当の先生は「保険のレジンは時間が経つと色が少し変わるかもしれないけれど、機能的には問題ないですよ」と丁寧に説明してくれました。治療の工程は、まず古い被せ物を外して根の掃除を行い、その後金属の土台を入れて型取りをするという流れで、合計で4回ほど通院しました。完成した差し歯は、装着した直後は自分の他の歯と色がぴったり合っており、正直なところ「これで1万円なら、わざわざ高い自費診療にする必要はないのでは」と感じたほどです。それから3年が経過した現在の状況を正直に申し上げますと、いくつかの変化を感じています。まず、懸念されていた変色についてですが、毎日のコーヒーや紅茶の習慣のせいか、少しずつ黄みがかってきたように思います。鏡をじっくり見ると、自分の本物の歯に比べて透明感がなく、ややマットな質感になっているのが分かります。また、差し歯と歯ぐきの境目がほんのわずかに黒ずんで見えてきたのも気になります。これは土台に使用した金属の成分が溶け出しているのか、あるいはレジンの劣化によるものだと後で知りました。しかし、噛む機能に関しては全く問題ありません。お煎餅のような硬いものを食べてもびくともしませんし、違和感もありません。3ヶ月に1回の定期検診に通い、歯科衛生士さんにクリーニングをしてもらっているおかげで、今のところ二次虫歯などのトラブルも起きていません。あの時、見栄を張って12万円を払わなくて良かったと思う反面、もしこれが10年後になったときにどうなっているかを考えると、その時には自費のセラミックにやり替えるのも一つの選択肢かなと考えています。保険適用の差し歯は、まず現状の不便を解消し、見た目を整えるための第一ステップとして非常に優れています。私のように「まずは安く直したい」という人にとっては、これほど心強い制度はありません。3年経った今でも、食事の際や会話の際、この差し歯のおかげで不自由なく過ごせていることに感謝しています。保険診療だからといって決して恥じることはありませんし、大切なのはその後のメンテナンスをいかに一生懸命に行うかだと思います。