-
ドライソケット治療後の食事で気をつけること
ドライソケットの治療を受け、あの地獄のような痛みから解放されたとしても、戦いはまだ終わっていません。抜歯窩が健康な組織で満たされるまで、食事の内容には最大限の注意を払う必要があります。なぜなら、不適切な食事が、せっかく始まった治癒のプロセスを妨げ、痛みを再燃させる引き金になりかねないからです。治療後の食事で守るべき基本原則は、「低刺激」「非固形」「適温」の三つです。まず「低刺激」について。香辛料が多く含まれるカレーやキムチ、酸味の強い酢の物や柑橘類、塩分の濃いラーメンのスープなどは、傷口を直接刺激し、炎症を悪化させる可能性があります。治療中は、出汁の旨味を活かした薄味の和食などを中心に、優しい味付けのメニューを心がけましょう。次に「非固形」、つまり食べ物の硬さです。せんべいやナッツ、硬い肉などの、しっかり噛む必要がある食べ物は絶対に避けてください。噛む力が傷口に伝わるだけでなく、硬い食べ物の破片が抜歯窩に入り込んでしまうと、再び強い痛みを引き起こす原因となります。おかゆ、雑炊、ポタージュスープ、茶碗蒸し、豆腐、プリン、ゼリー、ヨーグルトなどが、この時期の主食となります。タンパク質を補給したい場合は、ひき肉を使ったあんかけや、柔らかく煮込んだ白身魚などがおすすめです。そして、「適温」も非常に重要です。熱すぎる食べ物や飲み物は、血行を促進して痛みを増強させたり、傷口を火傷させたりする恐 れがあります。必ず、人肌程度の温度まで冷ましてから口に運ぶようにしてください。冷たいものは、逆に痛みを和らげる効果が期待できるため、アイスクリームなどは食べやすいかもしれません。また、食事の際は、治療した側とは反対の歯で、ゆっくりと噛むことを徹底してください。ストローを使って飲み物を飲む行為も、口の中に陰圧をかけて傷口に負担をかけるため、治療が完了するまでは控えましょう。不自由で味気ない食事が続くかもしれませんが、これは一日も早い回復のための、そして痛みの再発を防ぐための、極めて重要な治療の一環です。あなたの食事が、最高の「薬」になるのです。