リップクリームをこまめに塗り、保湿ケアを徹底しているにもかかわらず、唇のふちの荒れがなかなか治らない。そんな時は、スキンケア以外の要因、特に「ストレス」が関係している可能性を考えてみる必要があります。私たちの心と体は密接につながっており、精神的なストレスは、肌や唇の健康状態に直接的な影響を及ぼします。ストレスを感じると、体はそれに対抗するために自律神経のバランスを変化させます。交感神経が優位になり、血管が収縮するため、皮膚の末端である唇への血流が悪化しやすくなります。血行不良は、唇の新陳代謝(ターンオーバー)を乱し、栄養や酸素が十分に行き渡らなくなるため、乾燥や荒れを引き起こす原因となるのです。また、ストレスは免疫機能の低下も招きます。免疫力が落ちると、普段は問題にならないようなわずかな刺激にも肌が過敏に反応したり、ヘルペスウイルスが活性化して口唇ヘルペスを発症したりすることがあります。これが唇のふちにピリピリとした痛みや水ぶくれとして現れるのです。さらに、ストレスは無意識の行動にも影響を与えます。イライラしたり、不安になったりすると、唇を舐めたり、噛んだり、皮をむしったりする癖が出てしまう人がいます。これらの行為は、唇のデリケートな皮膚を直接傷つけ、バリア機能を破壊してしまうため、荒れを悪化させる大きな要因となります。加えて、ストレスは胃腸の働きを弱らせることも知られています。消化吸収能力が低下すると、肌や粘膜の健康維持に不可欠なビタミンB群などが不足しがちになります。ビタミン不足は、口角炎や口唇炎を直接引き起こす原因にもなり得ます。もし、仕事が忙しい時期や、何か悩み事を抱えている時に唇のふちの荒れがひどくなる傾向があるなら、それは心身が休息を求めているサインかもしれません。良質な睡眠をとり、バランスの取れた食事を心がけ、自分なりのリラックス方法を見つけることが、健やかな唇を取り戻すための重要な一歩となるでしょう。
唇の荒れはストレスが原因だった?