どれだけ慎重に予防策を講じても、体質や抜歯の状況によっては、残念ながらドライソケットになってしまうことがあります。抜歯後三日目あたりから現れる、痛み止めが効かないほどの持続的な激痛、そして口の中から漂う不快な悪臭。これらの症状に気づいた時、多くの人はパニックに陥るかもしれません。しかし、最も重要なのは、決して我慢せず、パニックにならず、速やかに適切な対処を行うことです。まず、自己判断で「もう少し様子を見よう」と我慢するのは絶対にやめてください。ドライソケットの痛みは、自然に治まるまでに数週間以上かかることもあり、その間の苦痛は計り知れません。また、露出した骨から細菌感染が広がり、さらに重篤な状態に陥る可能性もゼロではありません。「おかしいな」と感じたら、すぐに抜歯手術を受けた歯科医院に連絡し、症状を伝えることが最優先です。歯科医院では、まず本当にドライソケットであるかどうかの診断が行われます。そして、ドライソケットと診断された場合、適切な治療が施されます。一般的な治療法は、まず抜歯した穴を生理食塩水などで優しく洗浄し、内部に入り込んだ食べかすなどをきれいに取り除きます。これにより、悪臭の原因や細菌の温床を取り除きます。次に、露出してしまった骨を保護し、痛みを和らげるために、抗生物質や鎮痛剤が含まれた軟膏などを、穴の中に詰めます。この処置を行うだけで、あの耐え難い痛みは劇的に軽減されることがほとんどです。この軟膏は、数日おきに新しいものと交換するために、何回か通院が必要になる場合があります。また、症状によっては、再度麻酔をして、わざと掻爬(そうは)して出血させ、新たに血餅が作られるのを促すという治療法が選択されることもあります。ドライソケットになってしまった場合、完治までの期間は、適切な処置を受けても一週間から二週間程度かかるのが一般的です。その間は、引き続き喫煙や飲酒を避け、刺激の少ない食事を心がけるなど、安静に過ごすことが求められます。激痛に襲われると絶望的な気持ちになるかもしれませんが、ドライソケットは必ず治る症状です。一人で抱え込まず、すぐに専門家を頼ること。それが、苦痛の期間を最短にするための、唯一かつ最善の道筋なのです。
もしドライソケットになってしまった時の対処法