西洋医学では口内炎を局所的な炎症と捉え塗り薬などで対応することが多いですが東洋医学では口の中は内臓の鏡と考え全身の状態が反映されたサインとして捉えます。つまり口内炎ができる場所や状態によってどの内臓が弱っているか身体のバランスがどう崩れているかを読み解き根本的な原因にアプローチしていくのです。薬を塗ってもなかなか治らない繰り返すという方は東洋医学の知恵を取り入れて内側から治す方法を試してみる価値があります。東洋医学では口内炎は主に胃熱(いのねつ)が原因と考えられています。暴飲暴食や脂っこい食事香辛料の摂りすぎストレスなどによって胃腸に熱がこもりその熱が経絡を通って口の中に上昇し炎症を引き起こすというメカニズムです。この場合口内炎は赤く腫れ痛みが強く口臭や便秘喉の渇きなどを伴うことが多いです。対策としてはこもった熱を冷ますことが重要です。食材としてはトマトやキュウリナスなどの夏野菜や緑茶など体を冷やす作用のあるものを摂り刺激物を控えることが推奨されます。一方色が白っぽく痛みがそれほど強くないけれど長引くような口内炎は虚証(きょしょう)と呼ばれエネルギー不足や疲労が原因とされます。これは胃腸の働きが弱まり栄養が十分に行き渡っていない状態です。このタイプには体を温め消化機能を高めるケアが必要です。温かいスープやおかゆ根菜類などを積極的に摂り冷たい飲み物は避けましょう。こうした内臓の不調に働きかけるのに有効なのがツボ押しです。万能のツボとして知られる合谷(ごうこく)は手の親指と人差し指の骨が交わる部分のくぼみにあり首から上の痛みや炎症に効果があります。ここを痛気持ちいいくらいの強さで押すことで痛みを和らげる効果が期待できます。また足の三里(あしのさんり)は膝のお皿の下外側のくぼみから指4本分下がったところにあり胃腸の働きを整え免疫力を高める効果があります。さらに口内炎という名前そのもののツボ口内点(こうらいてん)は手のひらの中指の付け根の中央にあり口内炎の特効穴とされています。これらを空き時間に刺激するだけでも気の巡りが良くなり治癒を助けます。漢方薬も強力な味方です。代表的なのが半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)です。これは胃腸の炎症を鎮めみぞおちのつかえを取る効果があり口内炎治療のファーストチョイスとして広く使われています。口内炎の痛みを緩和するだけでなく下痢や胃もたれにも効くため胃腸が弱っているタイプの人に最適です。また炎症が強く赤みがひどい場合は黄連解毒湯(おうれんげどくとう)などの熱を冷ます薬が長引く虚弱タイプには補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などの気力を補う薬が選ばれることもあります。漢方薬はドラッグストアでも購入できますが自分の体質(証)に合ったものを選ぶことが重要なため漢方薬局や漢方に詳しい医師薬剤師に相談することをお勧めします。
東洋医学から見る口内炎はツボ押しと漢方で内側から治す